杜仲茶は高血圧予防におすすめ!

副交感神経を刺激し自律神経を整える作用がある

杜仲茶に含まれるゲニポシド酸の主な働きは、副交感神経という自律神経を刺激することです。この働きによって、身体の動脈の平滑筋を和らげて、血管を広げてくれるのです。副交感神経が刺激されて拡張された血管は血液がスムーズに流れるようになるので血圧が下がるというわけです。

このゲニポシド酸の働きは、血圧が高めの人のための特定保健用食品としても認可された成分です。

高血圧自然発症ラットを用いた実験で、杜仲葉配糖体の摂取量に比例してラットの血圧上昇を抑制する作用があることが明らかになっています。また、杜仲葉配糖体の給仕を中止すると血圧があきらかな上昇を示したということも記されています。この実験では心拍数および体重への影響は見られず、その他の症状にも異常が認められないことから、血圧上昇抑制作用を示す摂取量での有害作用(副作用)は皆無との考察もあります。

また、この論文では、ヒトでの臨床結果も載せており、平均年齢103名の男女を対象に8週間の二重盲検比較対照試験を行っています。
それによると、まず初めの週間はプラセボ飲料を飲んでもらい、それから残りの6週は杜仲葉配糖体を摂取してもらってそれぞれのMBP(平均血圧)などを測るというもの。結果は血圧高値郡の人たちは、初めの2週後に比べて4,6,8週目のSBP(収縮期血圧)やMBPが有意な低下を示したそうです。
※正確なご参考のために、すでに公開されている論のデータを以下に貼付しています)

特定保健用食品“杜仲葉配糖体”の高圧機序とその臨床作用(PDF)

また、副交感神経を刺激しますから、自律神経を整える作用にも杜仲茶は良いとされています。

神経は「中枢神経(情報処理)」「末梢神経(情報伝達)」の2種類に大きく分けられ、自律神経はこのうち末梢神経になります。
自律神経とは、自分の意思とは無関係にさようする神経の事で、内臓や血管・腺などの働きを自動的にコントロールして、体内の環境を調整してくれる働きを持っている神経のことです。

さらに自律神経は「交感神経」「副交感神経」に分けられます。この2つの神経のバランスが崩れて慢性的な疲労、だるさ、めまい、不眠などなど、さまざまな原因不明の症状に悩まされる状態のことを「自律神経失調症」と呼びます。
杜仲茶に含まれるゲニポシド酸が大きく自律神経に、そのなかでもとくに副交感神経に働きかけてくれるため、自律神経失調症の諸症状の緩和に役立つと考えられています。ゲニポシド酸は自律神経の乱れを正常化してくれるのです。

血圧を下げるだけではなく低血圧の人にもいいとされている杜仲茶!

お隣中国でも「杜仲」は血圧を正常化させるのに使われている

杜仲の木が自生している中国でも杜仲葉を用いた臨床研究は盛んに行われており、高圧作用の有用性や安全性は評価されています。効き目が緩やかで副作用がないこともあり、重宝されています。
また、血圧降下作用だけでなく、逆に低血圧を上昇させる作用も持っているといわれており(血圧の正常化)、身体の本来持っている自然治癒力を強くして、血圧を正常な状態に調整しているとも言われています。
中国では低血圧症の場合にも「血圧を正常値に引き上げるため」に漢方薬の「杜仲」を投与することがあるようです。

これからも分かるように、杜仲茶は「血圧を下げる」というより「血圧を正常化」させる働きがあるので、飲んでいたら血圧が下がり過ぎる、なんてことはありません。また健康な人が飲んでも全く問題ありまんので、安心して毎日の生活に取り入れてみてください。

漢方薬の「杜仲」は「杜仲茶」ではないの?二つの違い、詳しくはこちらをご覧ください。

杜仲の木の歴史~一科一属一種の「現代の生きた化石植物」~